めも。

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【映画】インサイド・ヘッド

ネタバレあり。



主人公ライリーとその頭にある司令部の面々のお話。

司令部にはヨロコビ、カナシミ、ビビリ、ムカムカ、イカリの5人がいて名前の通りの感情を司り、それぞれの性格や得意分野にあわせて司令部ある色々な装置を動かしている。

思い出を整理して保管庫に送ったり、その場に合わせた思い出をピックアップしてライリーにアイデアをもたらしたりと。

5人とも名前の通りの性格をしているけれど概ねみんな素直で、ライリーには幸せになってもらいたいという思いは共通している。

例えばイカリはすぐに怒るけれどイカリの感情を司っている故のことであって、ライリーに対して怒ったりはしないし怒った末の選択も全てはライリーの為。

彼らはゲームのプレイヤーのようにライリーを動かして楽しんでいるわけではなくて、『ライリーを幸せにする』という同じ目標に向かって日々頑張っている。

感情の描き方が面白い。

擬人化するという発想ではなく、生まれ方や育ち方が面白い。

ライリーが生まれた時、そこにいたのはヨロコビだけだった。

司令部にはただひとつのシンプルなスイッチがあって、ヨロコビがそれを押すとライリーは笑う。

そしてそれを見た両親が「見ろ、この喜びにあふれた顔を!」と。

少しするとライリーは泣き出す。

ヨロコビが驚いて周りを見回すとカナシミが陰鬱な表情でスイッチを押している。

成長するにつれて他の感情も生まれ、始めはただの押すだけスイッチだったパネルも複雑になっていく。

参考画像
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物語は12才のライリーが引っ越しに伴って転校をするところから動き始めるのだけど、

その出来事自体は思ったよりも新居がショボかっただとか転校先での自己紹介でポカをやってしまっただとか、引越し前の親友に連絡をとったら既に新しい友達が出来ていてショックを受けるだとか、そういうありふれた話。

でもそれらが大人からしたらありふれた話でも12才のライリーの身には初めて起こったことで、頭の中の面々も逐一大騒ぎをする。

ムカムカやビビリ、カナシミたちが自己主張をするとヨロコビがすかさず励まして、それを「大丈夫!あの時のこと覚えてる?こうしようよ!こう考えよう!それって最高!」って過去のヨロコビに属する思い出をとりだしては事態をなるべくハッピーな方へ導こうとする。

ちなみにライリーの中では基本的に中心にはヨロコビがいる。リーダー的で、ぐいぐい引っ張っていく。

そしてそれぞれの感情の差がハッキリしている。

途中で両親や他の人の頭の中も少し出てくるのだけど、感情たちの性格の差がライリーほどにはなかったりするし、中心人物はイカリだったりカナシミだったり。

ライリーのもともとの性格が明るくて楽観的で感情豊かなんだろうね。

まだ12才なのもあって、彼らはカナシミが何のためにいるのかわからずに存在を持て余している。

例えばビビリはライリーの安全を守るのが得意だけどカナシミって何してるんだろ?みたいな。

だから大切な思い出たちもカナシミの手には触れさせないし、なるべくライリーに幸せにいて欲しいヨロコビはカナシミのことを軽く閉じ込めてしまおうとすらする。

カナシミが思い出の玉に触れると、幸せな思い出もカナシミに染まってしまうから。

毎日毎日思い出の玉は様々な色で無数に作られていて、それは司令部から他の島に送られて保管されているのだけれど、ライリーの性格を形作る鍵となる“特別な思い出”は司令部に大切に保管されている。

ある日、落ちそうになっていた“特別な思い出”を支えようとカナシミがそれに触れ、ヨロコビが慌てて止めようと慌ててしまい、ちょっとした事故でヨロコビとカナシミ、そして“特別な思い出”は司令部の外に放り出されてしまう。

ヨロコビもカナシミも特別な思い出もわからなくなったライリー。

性格を形作る島々も次々に壊れていって、司令部にはイカリとビビリとムカムカだけ。

どんどんライリーの精神状態も現実の問題も悪化していく。

ヨロコビたちが居なくなったからそうなったのか、そんな状態を“ヨロコビとカナシミの不在”として描いてるのかは鶏と卵の問題みたいなものかな。

なんとか司令部に戻ろうとする為の冒険の中でカナシミにしか出来ないことを知ったり、ヨロコビに属する思い出たちも実はカナシミと表裏一体であったことを知ったりして。

あ、サラッと書いたけどこれがメインストーリーです。笑

カナシミという感情を見て見ぬふりをせずにちゃんと認めることを知り、ライリーはちょっぴり成長するのでした。そんな、お話です。

その後少し成長したライリーの頭の中はというと、司令部のコントロールパネルが更に複雑になり、思春期スイッチがついたり。

思い出もただひとつの単純な感情ではなくてイカリとカナシミが混ざっているものやヨロコビとビビリが混ざっているもの、どんどん複雑になる。

でもみーんな、ライリーの幸せを願っているのには変わらないんだよヽ(*´v`*)ノちゃんちゃん。

最後ちょっと文章を書くのに飽きた感が…。


イカリとムカムカって近い感情だと思うんだけど、切ないってニュアンスの英語がないように、日本語にぴったりこないニュアンスの感情なのかなあ???